【オルガンは備品ですか? 楽器ですか?】

教会に於けるオルガンの導入は楽器として買う場合と備品として買う場合の両方があります。楽器として買う場合は音に重点を置き、オルガンの専門家を交えて各メーカーの物を長期にわたって研究します。備品として買うケースは外観と価格で決め、音については良い判断ができない方に購入決定権があるようです。オルガンを個人で購入する場合は本人自ら音を真剣に確かめますが団体(教会・結婚式場等)の場合、オルガンについてその知識に乏しい状態で選定している場合が時折見られます。
弊社ではオルガン購入者の半分がキリスト教会ですが、教会に於けるオルガニストの発言力は必ずしも大きくなく、音楽にそれほど経験の少ない役員達によって「音が鳴ればいい」感覚で機種選定をされる場合が案外多いのです。教会でオルガンを購入する場合には是非、オルガンにより詳しい方のアドバイスを充分に受け入れて頂きたいものです。
寄贈者がオルガンを献品する場合にはその知識が充分でなければ教会オルガニスト,役員会などに相談し、教会で必要としているものが捧げられるように選定を教会に委ねられることをお勧めします。


 

【斜め椅子物語】

ある所におばあさんがおりました。 もう、その頃は時代が変わって、川で洗濯をすることもなく、スイッチ一つで用が足せるものですから腰も曲がらず、少しは近代おばあさんでした。 ある日、畳のある和室でふかふか踏ん張ってオルガンを弾いていました。明日の礼拝の準備のためです。 最後の小節が弾き終わらないうちに体に異変が生じて気絶、昏倒してしまいました。 翌日の奉仕は人に代わって貰い、床に伏せ、安静に過ごしました。 三日たち体が回復し、奉仕を代わって貰ったので次週のためによりいっそうがんばってふかふか始めました。 今度は曲の半分も行かないうちにまた昏倒してしまったのです。 ちょうど年老いたご主人が傍にいて119番の連絡、すぐ近くの市民病院に担ぎ込まれました。
ある日、会社に電話がかかってきました。 古いリードオルガンを引き取って欲しいと。 事情を聞くとごオルガン奉仕に懸命な夫人の事の顛末を語られました。
「愛着のあるオルガンで手放すのはとても忍びないのだが、あるとまた大変なことになるのでこの際・・・・・」 会社から車で10分のご自宅に伺ってもっと事情を伺うとそのふかふかする時の腰への負担が大きく難儀していたことが判りました。 天板が平坦な椅子で演奏していたために無理をしていたのです。 斜め椅子を勧めたのですが、経済的に無理のようでしたので、椅子を一旦預かり、1時間ほどで斜めに改造、お届けしました。改造費3千円で。 「オルガンがこんなに楽に大きな音で弾けるとは」・・・・と喜んで頂けました。 それから10年、ご主人は召されましたが、おばあさんは相変わらずふかふかやっています。


 

【オルガンのアフターサービス】

オルガンを購入するに当たってその検討要点をいろいろと考えると思います。価格、音質と機能、見栄え、耐久性、アフターサービス等でしょうか。その中で特に重要でありながら案外おざなりにしているのがアフターサービス体制の確認のように思います。オルガンを販売する者が顧客管理をきちんとしているかによって信頼度が判断できます。購入した会社に電話してみて自分がすぐに確認されるかどうかでその会社の管理体制がわかります。
オルガンを購入する際、オルガニストやオルガンに詳しい人の紹介で購入される場合が多いのですが、その方にいつまでもアフターサービスまでの負担をかけるのは考え物です。


 

【オルガンケースの色】

オルガンのケースの色は日本、アメリカではダークオーク色が、ヨーロッパではナチュラル色(木そのものの色)が多く見られます。近年、日本でもナチュラル色が増えています。木の色は本来ダークオーク色はありません。ナチュラル色だとどうしても木の材質が判ってしまい、ごまかしがききません。ヨーロッパではパイプオルガン、電子オルガンともケースの材料は日本で言う楢材を使用します。楢材は年々色が濃くなり、やがては深い飴色となって重厚さを醸し出します。人間も年を重ねるほどに人格に厚みが増すのと似た感じがありますね。


 

【オルガンの音と外観】

楽器の最も大切な要素は「音」であることは誰も異論は無いと思います。では、「良い音」を誰もが聴き分けられるのかというとこれが難しい。音の善し悪し判断は好みもありますが、かなり専門的分野のこととなり、普段、楽器や音響に親しんでいない方にとっては困難なことでしょう。その点、楽器の外観の判断は多くの方が可能なところのようです。豪華な外観のオルガンは即、音も良く聞こえてしまうと言う錯覚にとらわれてしまうことはたびたびのようです。パイプオルガンでさえ有れば全て素晴らしい音と言ってしまうことと同じですね。


 

【オルガンの取扱方法と説明書】

古いオルガンの取扱説明書が無い、使い方が解らないという方、
ご相談ください。出張説明、取扱説明書の作成をお承り致します。


取扱説明出張費用・・・・・・現場で1時間 ¥15,000- + 出張交通費
遠隔地の場合、費用は別途ご相談させていただきます。

取扱説明書の製作費用・・・・・・\10,000-
オルガンの外観詳細についてお訊ね致します。

 

 
 

【リードオルガンの椅子について】

椅子は必ず天板が傾斜のあるものをご使用ください。

 第二次世界大戦終了(1945年)後、オルガンの外装材料は合板(ベニヤ板)で作られ、椅子は天板が水平になりました。 椅子の天板が水平になると、足ペダルの踏み込みに余分な力が必要になりました。 それまで、ほとんどの教会がリードオルガンを使用していましたが、演奏しづらくなったリードオルガンからその頃出現してきた娯楽用電子オルガン(エレクトーンなど)への移行が始まりました。 椅子天板の水平化は年配者には大きな障害となり、時には腰痛の原因となりました。若い初心者にとってもペダル踏み込みが思わぬ負担となって演奏技量向上の妨げになったことと考えます。(リードオルガン衰退の一原因は水平天板椅子の出現にあるのではと考えています) 水平天板椅子は生産者にとって製作コスト、梱包、在庫保管が容易でありました。水平天板の出現は傾斜天板椅子の必須性を重要としない生産者によって作られたものと思います。(椅子も楽器の一部と考えず、楽器は本体のみと考えたのでしょうか) 椅子も楽器の一部、良い演奏を創り出すための楽器の一部であると考えています。 水平天板椅子を傾斜天板椅子に換えてみてください。驚くほど演奏が楽になります。


        

文責・日本オルガン株式会社
代表取締役 中川 匠